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高リン血症の薬

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どうも鈴木俊嗣です。

来年2月に、高リン血症の薬で新しいものが出ます。

https://medical.kyowakirin.co.jp/kidney/phozevel/index.html

フォゼベル🄬、一般名テナパノールです。

4年ほど前から注目してました。

リン吸着薬の歴史:カルシウム製剤

ざっとですが。

まず腎臓ではカルシウムとリンの出し入れをしています。

そして、カルシウムとリンを腸から再吸収させたり骨の代謝に関わるビタミンDの活性化もしています。

しかし腎機能が下がってしまうと、リンを尿に捨てることができなくなります。

そしてビタミンDの活性化もできません。

結果的には血中のリンが上がり、カルシウムが下がります。

そこで、リンを下げてカルシウムを上げれば、ということで炭酸カルシウムの内服をするようになります。

これが今日まで続くカルタン🄬や沈降炭酸カルシウムです。

ところが、カルシウムが高いことが血管石灰化(この場合主役は血管中膜がメインです)に関わることがわかります。

そこで、カルシウムを含まないリンの吸着薬が開発されます。

リン吸着薬の歴史:合成金属

それがセベラマーやランタンといった合成金属です。

カルシウムが上がらずにリンが下がる、という薬ですね。

この後くらいからPTHの薬が出ますが、これは別頁で。

しかし合成金属は体内にないものです。

ですから、消化管に穴が開くなどの副作用や、骨髄への毒性が懸念されます。

また腸の壁にくっつくため便秘を起こしやすいです。

ランタンは胃に沈着するので、最近では内視鏡でランタンによる胃炎とはっきり書く先生もいらっしゃいます。

そこで、生体内にある金属なら問題ないのでは、となります。

リン吸着薬の歴史:鉄によるリン吸着薬

それが鉄のリン吸着薬、リオナ🄬、ピートル🄬です。

発売当初、どちらも鉄としての機能は考えておりませんでした。

しかし特にリオナ🄬のほうが鉄として生体内に吸収されることがわかります。

そこを逆手にとって、ここ最近では鉄欠乏性貧血にも使用できるようになりました。

ピートル🄬は現状でもっともリンが下がるとされている薬です。

ただし鉄は下痢になりやすいです。

新しいリン吸着薬:フェゼベル🄬

ここまで長々と書いてきましたが、リンの薬はいわゆる吸着薬です。

食事の中のリン成分を腸で吸収できないようにするものでした。

しかし新薬はメカニズムが異なります。

腸でのリン吸収を止めてしまうのです。

腸の壁細胞の接着を変化させることで、リンの吸収を止めます。

ここまでの臨床治験では、かなり下がることがわかっています。

副作用はやはり下痢です。

ただ透析の患者さんは除水をするので、腸の水分が足りず便秘してしまう方が多いです。

ですから、便通の事情も考慮しながら使っていくことになる思います。

どちらにしても画期的な薬ですね。

より患者さんに役立てるように頑張っていけたらいいですね。

 

 

 

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