ブログ
クレアチニンについて①
~健康診断で「異常」と言われた方へ~
「健康診断でクレアチニン値が高いと言われたのですが…」
このように再検査を希望される方が非常に多くいらっしゃいます。
クレアチニンは腎臓の機能を評価する重要な指標のひとつです。
健康診断では一般的に、男性で1.0mg/dL未満、女性で0.9mg/dL未満 が基準値とされており、それを少しでも超えると「異常」と判断されることがあります。
ただし、これらの基準はあくまで異常を早めに拾い上げるために設定されており、必ずしも病的というわけではありません。
つまり、クレアチニンが男性で1.0未満、女性で0.9未満であれば、再検査は不要なケースがほとんどです。
もう少し正確に腎機能を評価するためには、eGFR(推算糸球体濾過量)という指標があります。
この数値が60未満であれば、腎機能の低下が疑われます。なぜなら、腎臓は常に100%で働いているわけではなく、約3分の1の糸球体は血液を濾過していない休止状態にあるためです。
そのため、60を下回ると「十分に機能していない」と判断されます。
なお、eGFRの「60」という数値は%ではなく、「1分間あたりに腎臓が濾過できる血液量(mL/分)」を示しています。この点はよく誤解されやすいため、ご注意ください。
また、たとえクレアチニンやeGFRの数値が基準内であっても、尿検査で蛋白(たんぱく)が出ている場合(蛋白尿)は注意が必要です。
蛋白尿は腎臓の異常を示す重要なサインのひとつであり、この場合は早めに医療機関を受診することをおすすめします。
鈴木 誠