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マンジャロ🄬、リベルサス🄬などのGLP-1製剤についての詳細②

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どうも鈴木俊嗣です。

前回の続きになります。

前回の記事はこちら

今回は少し長めです。

ここではやはり正常な反応のお話からしましょう。

1. 正常な消化反応

食事が十二指腸に入ると、以下のようなことが起きます。

まず十二指腸に脂質(食物)が届きます。

するとコレシストキニンが放出され、胆嚢を収縮させ、同時に出口であるファーター乳頭(Oddi括約筋)を緩めます。

GLP-1やGIPといったインクレチンは、この流れに合わせて胃の出口をわずかに絞り、消化吸収のスピードを最適化します。

補足すると、脂質を分解するには胆汁が必要です。

ですから、脂質が十二指腸に届くと分解させるためにこういった反応をするわけですね。

胆汁は肝臓で作られ、胆嚢にためられ、胆管を通じて十二指腸に分泌されます。

またタンパク質の分解には膵液が必要です。

膵液は膵臓から膵管を通って十二指腸に分泌されます。

中外製薬さんの図が見やすいので拝借してきました↓

https://www.chugai-pharm.co.jp/ptn/medicine/karada/karada014.html

次に健常な人にマンジャロ🄬やリベルサス🄬を使った場合の反応を書きます。

2. マンジャロ🄬やリベルサス🄬による連携の破壊:胆嚢

健康な人がこれらの薬剤を使用すると、このよくできたリズムが壊されます。

胃排泄抑制により、胃の動きが悪くなるため、十二指腸に食べ物が届かなくなります。すると、胆嚢を動かすコレシストキニンが分泌されません。

すると胆嚢の動きが悪くなるので、内部の胆汁は淀み、泥のようになっていきます。

さらに、GLP-1受容体は図の中にあるファーター乳頭(Oddi括約筋)にも発現しています。

薬剤の刺激により、本来リズムよく開閉すべき胆汁の出口が麻痺し、閉塞に近い状態になります。

動きが悪くなり流れなくなり、さらに出口もふさがれる。

うっ滞した流れは石を形成し、壁を傷つける。

結果、胆嚢炎を引き起こすわけです。

3,マンジャロ🄬やリベルサス🄬による連携の破壊:膵臓

加えて図の通り、膵液もOddi括約筋~ファーター乳頭から分泌されます。

出口がふさがれているので、当然膵液の流れが悪くなります。

これが悪化すれば当然逆流することがあります。すなわち急性膵炎を引き起こす理由です。

膵液はタンパク質を溶かすので、すなわち自分の身体を溶かします。

膵炎は危険な病気なのです。

4,副作用ではなく主となる作用

これらのことは薬剤の作用として健康な人には普通に起きることです。

ですから、ただのやせ薬だと健康な人が使う際は、こういった作用があることで食欲が落ちるという説明をしないといけません。

残念ながら、患者さんや周囲の友人知人を含めてこの説明を聞いたという人や、知っている人に出会ったことがありません。

私からこの説明をされて、怖いのでやめておきます、という反応になります。

しかし引用文献7にあるように、一流雑誌に、健康な人に使用する場合の危険性について書かれています。

SNSやネット上でここまでメカニズムについて説明した記事を見かけないので。

今回は少し詳しく書いてみました。

糖尿病がない患者さんに使う場合、こういったリスクがあると、正しい理解のもと使われることを願うばかりです。

次回はこれらの薬剤を使用して体重を減少させた場合の身体の変化について説明します。

引用論文

1,Nauck M, et al. Effects of subcutaneous glucagon-like peptide 1 (GLP-1 [7-36 amide]) in patients with NIDDM.

  • Diabetologia. 1993;36(8):741-744. (※1986年の原著に続く、臨床的意義を確立した決定報)

2,Feingold KR, et al. Pathogenesis of Type 2 Diabetes Mellitus.

  • Endotext [Internet]. South Dartmouth (MA): MDText.com, Inc.; 2000- (Updated 2024/2025).

3,Kim W, et al. GLP-1 receptor expression and GLP-1 peptide content in human liver and biliary tract.

  • Journal of Biological Chemistry. 2007;282(22):16611-16620.

4,Keller J, et al. Glucagon-like peptide-1 and glucagon-like peptide-2: their effects on gastrointestinal motility, antroduodenal motility and fat-induced cholecystokinin release.

  • Gut. 2012;61(5):651-658.

5,Knop FK. The role of incretins in junctions of the biliary tract.

  • Nature Reviews Endocrinology. 2014;10(8):447-448. (※膵・胆道系リスクを論じた重要Review)

6,Kellner R, et al. Effects of glucagon-like peptide-1 on human sphincter of Oddi motility.

  • American Journal of Physiology-Gastrointestinal and Liver Physiology. 2017;312(4):G380-G387.

7,He L, et al. Risk of Gastrointestinal Adverse Events Associated With Glucagon-Like Peptide-1 Receptor Agonists for Weight Loss.

  • JAMA Network Open. 2023;6(10):e2337732.

8,Review: GLP-1 and GIP Receptor Dual or Triple Agonists in MASLD.

Aliment Pharmacol Ther. 2025 Jun;61(12):1872-1888.

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