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腎臓に悪いとされること
昔からよく見かける、そして科学的にも示唆されている腎臓に悪いことは3つあります。風邪、精神的ストレス、そして激しい運動です。これらはいずれも過酸化物、いわゆるフリーラジカルを発生させる原因とされており、ごく最近の研究でも、フリーラジカルの残骸が尿に認められることと腎機能の低下には関連があると報告されています。
また、尿で腎機能の低下と関連するものとして、もう一つ、過剰な糖分の摂取によって認められる代謝物があります。これらが尿で測定できれば、腎臓に優しい生活を送れているかどうかを判断できるのですが、現在のところ一般の検査では測定できません。
こうした最近の化学分析とは別に、もっと一般的な食べ物と腎機能との関係を、一万人以上の人を対象に追跡した研究もあります。それが「尿酸」です。昔から痛風腎と言われるように、尿酸が高いということは、尿酸の結晶が腎臓にたまるため、これだけで腎臓に悪影響を及ぼします。抗尿酸血症といわれたら、食事には注意が必要です。これは民族を同一にした研究でも明らかであり、尿酸は人種に関わらず腎毒性があるといえます。
脂質はどうでしょうか。日本人は遺伝的にコレステロールが200以上の人が多いです。この値からも計算できますが、LDLコレステロールとしては100以下が望ましいとされており、これは世界基準です。この値は腎臓だけでなく、心臓や血管にとっても同じ目標です。ただ、実際には脂質はそれほど強い腎機能悪化因子にはならないようです。
肥満も腎機能を悪化させる因子の一つです。ただし、これにもタイプがあり、お腹が出るような内臓脂肪型肥満は、お尻に脂肪がつくような皮下脂肪型肥満に比べて、より悪影響があることがわかっています。
最後に年齢があります。腎臓は寿命120年とも言われていますが、こればかりは逆らえませんね。
鈴木 誠