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透析患者さんの便通管理②

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どうも鈴木俊嗣です。

少し間が空きましたが続編ということで。

③胆汁酸トランスポーター阻害薬

便秘薬としてはどの系統とは全く異なる薬です。

販売元である持田製薬さんからの公式サイトからです。

https://med.mochida.co.jp/medicaldomain/gastroenterology/goofice/info/mechanism.html

説明として以下のようにあります。

「エロビキシバットは回腸末端部の上皮細胞に発現している胆汁酸トランスポーター(IBAT)を阻害し、胆汁酸の再吸収を抑制することで、大腸管腔内に流入する胆汁酸の量を増加させる。胆汁酸は、大腸管腔内に水分を分泌させ、さらに消化管運動を促進させるため(Dual action)、エロビキシバットの便秘治療効果が発現する。」

これだけだとわかりにくいので(一応図説もサイトにありますが)。

まず胆汁酸について簡単に書きます。

これは肝臓で作られ胆嚢に貯蔵され、胆管を通じて十二指腸のファーター乳頭から分泌されます。

コレステロールから合成され、脂質を分解して吸収しやすくする働きがあります。

https://www.clinicaltherapeutics.com/article/S0149-2918(22)00291-0/abstract

面白い研究として、これが最近有名(?)なGLP-1が上がることにより、2型糖尿病への効果

というのが上記です。ですが、これ以降続編はなく、2022年の論文なので、大規模化が

されているかはわかりません。

従来とは異なる便秘薬なので、他との併用をしても作用が減弱しにくいという利点がありますね。

また、この後出てくる上皮機能変容薬のように、腸管での水分分泌だけでなく消化管の運動促進

という面があることが魅力です。

④上皮機能変容薬

腸管の上皮から水分の分泌を促進させることで抗便秘作用となる薬です。

アミティーザ🄬、リンゼス🄬ですね。

細かいことを言うとリンゼス🄬は腸管の痛覚過敏を抑えることが出来るので。

あの便意があるときの痛みを感じにくいという側面があります。

このあたりはいわゆる刺激性などと違ってお腹の不快感や痛みが少ないので使いやすいです。

⑤リン吸着薬

直接的に作用するわけではありませんが、透析患者さんの場合リン吸着薬はそれぞれ

消化管への副作用がでます。

鉄系であるリオナ🄬やピートル🄬は一般的に軟便傾向となり、合成金属であるホスレノール🄬や

キックリン🄬は便秘傾向となります。

またフォゼベル🄬については以前のブログで書いた通りです。

⑥総合的に

こういった薬の特性を踏まえて、それぞれの患者様で使い分けていくことが大切です。

特にお仕事をされている患者様については下痢の副作用が懸念される場合は

週末前から投与するなどの工夫もしています。

またオンラインHDFについてはエビデンスは不明ですが、感触として便秘の方が少ない印象です。

現に当院での下剤使用率は2割程度なので。

お困りの方がいたらぜひ気軽にご相談ください。

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